「あの時のあなたに何を言っても仕方がなかった」
と、友達に言われた。
何の気もない言葉なんだろうけど、少し傷ついた。恥ずかしかった。自分が我を失ってる姿を人に見せたのが恥ずかしくなった。嫌な気持ちだった。やっぱりあれは常軌を逸してたと判断されるのか、と悲しい気持ちになった。あの久しぶりに感じた平穏や安心感は全て嘘だと言われてるみたいだった。
麻薬だったとは思う。我を失ってる間もそれは気づいていた。ただあの平穏な心はもう手に入らないのか、と悲しくなる。別に興奮していたわけではない。真剣に彼といた方が心が楽なんじゃないかと考えていた。でもそれも結局人からは美化された妄想に囚われてる人に見えるらしい。だからなんだって話ではある。人の意見はそもそも気にする必要はなく自分でやりたいことをやれば良い。でも結局彼らが正解だったのか、と現実に戻って思う。旦那と付き合ってた頃私の心に疑いはなかったし、別れようと思ったことも一切なかった。トントン拍子で結婚までありつけた。誰もその男大丈夫なの？なんて言う人はいなかった。
今の環境は人を好きになるということは辛いことでしかない。結局正解は家庭を維持することなのだ。自分の好きな人が自分を見てくれているという最高の幸せは最悪の苦しみになる。きっと私が例えどんなにその男がまともで私を愛してくれてると言っても人は疑い続けるだろう。なぜなら私のことが心配だし、子供も可哀想だと思うからだ。最後は自分の決断でしかないのだが、例えば私が他の男を選んだとしても、私の頭の中では何もかもを失って生活保護で生きる自分が浮かぶ。旦那相手でもそのリスクを考えるので誰に対してもそうだ。最悪のケースが訪れた時に私にはまず食べるものや寝る場所があるのかがわからない。人には期待しない方が良いと思っている。家族にも期待していない。とゆうか迷惑をかけたくない。誰かの支えがなければ食う寝るさえできないのに、周りの人の理解が得られないということは、私にわずかに残っている生存方法を潰すことになると思う。
しかもどうせ別の人と一緒になったって嫌なことが一つもない関係などないのだ。絶対に幸せになれる、と確信を持って他の男を追い家庭をぶち壊すことは冷静な判断を欠いているようにも見える。この人となら...となればなるほど妄想に囚われていると思われるだろうし、自分でも思う。ならば私は浮かれた心を押さえつけて、今持っている家庭にいるしかない。リスクが多すぎる。
結局は今の家庭の中で生きていた方がやってしまった後悔よりはマシな状態を手に入れるんじゃないかと今は判断している。
だがそれは退屈でもある。
友達が真剣な愛を探してるのに相手に裏切られたと本当に辛そうに話していた。私は彼の話に耳を傾けて痛みを感じながら考えていた。平和な結婚という場所にいる自分はとてもラッキーなのだということ。でもそれがあるからと言って別に人生がバラ色になるわけではないし、ゴールでもないということ。伴侶が自分にとって大事なのは変わらないのに持ちたくもない恋愛感情で悩まされること。結婚してるからと言って埋まるわけではない心のコップ。旦那が努力してくれてるのはわかるのに、まだ彼に対して嫌な気分になる自分。愛したい人を自由に愛せないという葛藤。あまりにも考えが溢れ出て言語化できなかった。それを伝えると友達は「あとでメッセージで送って」と冗談混じりで笑っていた。その瞬間も私はその一言がとても魅力的だと思った。そういうところ優しくて素敵じゃん、と言いたかった。でもまたそうやってすぐに男の人に惹かれる自分が嫌でもあったし、そういう風に素直に表現することが、せっかくの友情をぶち壊すこともあると思ったので言わなかった。簡単に言えば思わせぶりなことはしたくないのだ。私が素直に思ったことを表現すると、たくさんの男の人は自分に気があると考えて甘くて優しい言葉を言うようになる。すると私ももっと愛着が湧く。でもその先には良いことは何も待っていないのだ。私が傷ついたり相手が傷ついて終わるだけだ。
自意識過剰な私はその友達からDMが来るんじゃないかと少し怖かった。多分私は抑えてるつもりでも、彼が落ち込んでる分より彼のことを褒めていたと思うからだ。と思って、今チェックしたらDM来てた........................怖いから今は開けないでおこう。
最近オンラインの会話に入ると周りの人が元気になるのを感じる。英語だとwhen you walk in the room, people will recognize you みたいな言い方があるのだが、自分が集団に入ると空気が変わるのを感じる。自分の何がそうさせてるのかもわからないし、私の存在で人が明るくなるならそれに越したことはないのだが、自分の他人への影響力が怖くもある。そして多分嫉妬の的になるだろう。大体の人は一瞬で打ち解けてしまうのだ。if everything around you seems dark, look again, you maybe the light. という引用があるのだが、まさにそれな気がするし、自分のビデオを編集していても私が満面の笑みで笑っていると部屋全体が明るくなるように見えた。別に私は人気者ではないのだが何か話している相手を心地良くさせるパワーがあるように思う。
さっきのDMを的中させたのもそうだ。中身は見てないから何の件かはわからないけど、そもそも何か繋がりを持ちたくてDMをしてくるのだから、彼の中にも何か心に残るものがあったのだろう。
私はそれが怖い。男の人と話すのは楽だし笑えるから好きだが、それが私や相手の恋愛感情を引き出さないようにいつも願っている。ハッピーエンドがないから。今は割と素直になりすぎないように注意してるが、それでもまだ思わせぶりなことをしてるのではないか、と怖くなる。私がどこか満たされていないのが多分外に出てしまっているのだと思う。別にだからと言って他に男を作ったり、旦那に文句を言う気もない。でもどこか満たされてないことから繰り出される発言はきっと「じゃあ俺が！」という男心をくすぐってしまうのかもしれない。
私が一番恐れてるのは恋愛感情という邪魔者のせいでその人との関係が保てなくなることだ。
今DMを返した。この人とは何回も他の人のいる場所で話したことがあるけど、今までDMを寄越したことは１回しかない。まあまあ丁寧に返したけど、Thank you!!としか返ってこなかったので、あんま心配しなくて良さそう。なんでDMしてきたんだろ笑。
ん〜でも怖いなぁ。何も起こらないといいけど。
今日は割と気持ち楽に生きれたから良かった。今日もよく生き残ったね自分。お疲れ様。
